訪日外国人旅行者数は年々増加しており、2018年にはついに過去最高の3000万人を突破しました。
2012年の時点で、政府は「2020年に2000万人、2030年に3000万人」という目標でしたが、急激な増加を受け、2016年には「2020年には4000万人、2030年には6000万人」の目標を掲げ、今後もさらに訪日外国人旅行者数を伸ばしていく考えです。
いろいろ調べている中で、じゃあそもそも何でこんなに急増しているの?とか、国別の内訳、時期、過去、未来の展望などまとまった記事がなかったため、JNTOに掲載している情報をメインに概要をまとめてみました。ご参考ください。
訪日外国人旅行者数推移(1965~2018)
1970年代以降、徐々に増加傾向にあった訪日外国人旅行者数ですが、2012年以降大きく増加しています。要因としては様々な内容がありますが、主に以下5点の要因で増加したと考えられます。
2009年は世界的な景気低迷、新型インフルエンザの流行による減少、2011年は東日本大震災による影響で減少しています。
●ビザ要件の緩和
2000年に中国人向け団体旅行者へのビザ発給を解禁したのを皮切りに、戦略的にビザの緩和を行ってきました。特に中国をはじめとするアジア地域のビザ緩和が大きく伸ばすことができました。近年はマレーシア、タイ、インドネシアなどがビザ免除の対象になったことも、アジアからの訪日観光客の増加につながっていると考えられます。
●アジアをはじめとした各国の経済成長や規制緩和
中国、韓国などの経済成長により所得が増加し、海外旅行者数が増加しています。
またそもそも中国人は、昔は仕事や留学などの目的以外では、自由に海外旅行ができませんでしたが、1997年に初めて、団体での海外旅行が解禁されました。そういったことも急増の背景の要因としては大きいです。
●円安の影響
アベノミクスによる円安も、海外旅行客からすると旅行や商品が安く買えるため、後押しをした形となります。
関税がかかっている現地価格よりも日本に行って買った方が安いというところもあり、「爆買い」がブームとなりましたね。
●LCCの就航
2012年、日本ではピーチ・アビエーションが関西国際空港を拠点として、初めてLCCを就航させました。
●日本のコンテンツの認知向上
政府が行ってきた「ビジット・ジャパン」キャンペーンや、2013年のユネスコ無形文化遺産に「和食」が登録されたりなど、日本のコンテンツが注目されていることも大きいです。
富士山などの観光資産、四季の風景や遊び(花見、雪遊びなど)、ゲーム・アニメなどの日本ならではのコンテンツ。そういった様々な日本のコンテンツが世界で認知されたことも、増加の背景としてあります。またそれらに影響し、ドラマ、映画、アニメの舞台として利用された土地に旅行者が集中するなどの現象もみられています。
またそういったコンテンツに魅力を感じた方がリピーターとなっていることも拍車をかける形となっています。訪日外国人の6割が2回目以上のリピーターというデータもあります。
国別の訪日外国人旅行者数
2017年、年間10万人以上でいうと以下。
国名 | 累計 | 割合 |
総数 | 28,691,073 | – |
中国 | 7,355,818 | 25.6% |
韓国 | 7,140,438 | 24.9% |
台湾 | 4,564,053 | 15.9% |
香港 | 2,231,568 | 7.8% |
米国 | 1,374,964 | 4.8% |
タイ | 987,211 | 3.4% |
豪州 | 495,054 | 1.7% |
マレーシア | 439,548 | 1.5% |
フィリピン | 424,121 | 1.5% |
シンガポール | 404,132 | 1.4% |
インドネシア | 352,330 | 1.2% |
英国 | 310,499 | 1.1% |
ベトナム | 308,898 | 1.1% |
カナダ | 305,591 | 1.1% |
フランス | 268,605 | 0.9% |
ドイツ | 195,606 | 0.7% |
インド | 134,371 | 0.5% |
イタリア | 125,864 | 0.4% |
マカオ | 115,304 | 0.4% |
中国と韓国のみで半数以上を占める。近年の急増はアジア諸国の上位が牽引。
2018年に急増している国でいうと、ロシア(2017年ビザ発給要件緩和・日本直行便増加)、ベトナム(花見や流氷ツアーなどのコンテンツ注目度上昇)などです。
国別・都道府県別の訪日外国人訪問数
上位はやはり東京・大阪・京都でダントツ。千葉が2位なのは成田空港があることが大きな要因。
いわゆるゴールデンルート(東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪)で日本を満喫といったツアーや需要が大きいため、首都圏を中心に訪問数は多いです。
ただ近年、特に訪日2回目以降の観光客は九州や中四国、また東北の方まで足を運んで、景色や自社仏閣巡り、地元の体験等を楽しんでいるようです。
また、2018の情報が公開されましたら、訪日の上位、中国、韓国、台湾、香港、アメリカ、タイなど国別の訪問者数を見て見たいと思います。
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